SNZKの世界分散株式投資

30代前半から米国メインの世界分散株式投資でメイクマニー。

仕組債ってなんだ

仕組債ってなんだ

ちょっと前に基本的な国債社債の勉強をしましたがその過程で出てきた仕組債という債券、複雑なのでまとめきれなかった分をあらためて勉強したいと思います。

債券の名前を使っている金融商品

一般的な債券は○年後に○%の利子がつくというシンプルなものです。
仕組債は名前の通りスワップ取引オプション取引の要素がはいったデリバティブです。

日本国債10年ものがほぼゼロ%金利という時代に年利回り10%オーバーという数字がボンボン並ぶ夢のような債券なんですが、まぁ普通に考えて怪しいよねっていう。

色々と種類がある

  • EB債(他社株転換条項付き債券)
  • リンク債
  • コーラブル債
  • 二重通貨建て債

今回はEB債でちょうど売られているものがあったのでEB債の仕組みをみていきます。
というか、複雑怪奇でこれだけでも精一杯…

EB債はどんな仕組債なのか

f:id:snzk-kznr:20180302183115j:plain
SBI証券 EB債(デジタルクーポン/日経平均レバレッジETF)

これは現在募集中のEB債になります。
* 商品名
ドイツ銀行ロンドン支店 2020/3/23満期 早期償還条項付 上場投信転換条項付 デジタルクーポン円建債券(NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信) * 利率
初回利払日:年11.50%(税引前)/年9.163%(税引後) * 50万円単位で申し込みができて、利率はなんと11.50%(!)、償還日は2年後の2020/03/23の2年もの債券です。

発行体は外資金融系が多い

こちらの発行体、つまり債券を買ってくれないかと募集をかけているのはドイツ銀行ロンドン支店となっています。日経平均にまつわる債券なのに海外の銀行の海外の支店?
どうもこういったEB債などのデリバティブは海外の金融機関によって作られることが多いようです。

発行体の格付けは問題なし

ご丁寧に、というべきかドイツ銀行S&P格付けも書いてありますね、ランクはA-。
S&PではBBBまでは経済状況が悪化しなければ投資対象として問題なしとしていますからここももちろん不安なく投資しても良いだろう、と考えたくもなります。

しかしながら、この評価は発行体であってこのEB債そのものではありません。

EB債の実態

目論見書

詳しいことはこちらをお読みいただくのがいいですが、実際になにが怪しいのか少しずつ読んでいこうとおもいます。

売り出しの概要

売り出し概要

こちらのページ、大事な部分にはわざわざ赤字で注意を入れてくれていますから、主にここを見ていきましょう。

ETFの値段を基準に債券の値段が決まる

この債権はドイツの銀行が、日経平均と連動して利率を出すかどうかを決定するという不思議な商品です。
ドイツ銀行社債とは全く違います。

基準になるのは日経平均インデックスのレバレッジ2倍ETF

日経平均と連動と書きましたが、実際にベンチマークとなるのは銘柄コード1570日経平均連動の2倍レバレッジETFです。日経平均が5%あがれば単純に10%ベンチマークが上がるということですね。
SBIでも日本株の取引量ランキングでいつも上位にあるのでご存じの方も多いでしょうか。

日経平均の値動きの2倍、というのがポイントです。

利率と利率決定価格

利率は税引前で11.5%/年、満期償還日までの2年間何事もなければ100万円が123万円になって戻ってくるんだから素晴らしい。

早期償還判定水準

ここからが少し複雑でした。
早期償還とは先日のVIX騒ぎのように投資信託やこの債券のような金融商品が何らかの理由で予定の運用期間を切り上げてお金を返すことです。たいていの場合で預けた金より減って戻ってくる。

blog.snzk.trade

この早期償還になる条件はこのEB債の場合は以下のとおりです。

当初価格×110%(小数第3位を四捨五入)

1570が当初価格(2018/03/23)の終値から10%値上がりした場合は満期までの2年間を切り上げてそこで運用を切り上げる、ということです。
1570は日経平均の値動きの2倍なので実際は5%上昇したら終了になります。

ん?なんかあっという間なんじゃないの?って気が…

早期償還が確定した場合

毎月の利払日に上記条件を満たしていた場合、次の利払日に早期償還が決定して元本と次の月ごとの利払いが支払われてこの金融商品は終了となります。
これだけだったらまぁ利払いはもらえるし元本も返ってくるしでそんな悪くもありません。

ですが、もうひとつノックインという強制終了条件があります。

ノックインとは

ノックインとは対象となっている株価が決められた水準を下回ることをいいます。

今回のEB債ではノックインとなると下がった時点での1570をその時の価格分だけ現金の代わりにいただけることになります。

ノックイン判定水準

ノックインになる目安率は、当初価格の65%です。-35%なのでかなりの下げ方をしなければノックインにはなりませんが、対象となる1570は2倍レバレッジです。
早期償還の確定は月に一度だけですが、ノックインは瞬間的にでもその下げ幅になればもうそこで試合終了になってしまいます。

日経平均が-17.5%になる可能性はそれほど低くはないですよね。
上昇局面から最大10%ほど下がるのが調整局面と呼ばれます。1月末の米国FRBが利上げしたことによる突然の下げは記憶に新しいですが、日経平均も当然あおりを食らっています。このときの1570は23,000ほどで推移していましたが現在は17,590です。

手元には下げ底かもわからないETFが残る

上にも既に書いていますが、ノックインの場合は-35%を記録した時点の1570が買える分だけ株で返ってきます。現金は端数分しか返ってきません。
絶賛下げ局面で手数料も高めのレバレッジ2倍ETFをもらうというのは、その後巻き上げる可能性ももちろんあるとはいえ気持ちのいい買い物ではないですよね。

日本経済が2年間停滞し続ければ儲かる

日経平均が5%上がればそこで終わり、17.5%下がったら現金の代わりに下がった株をプレゼント。
全くお金や有価証券が返ってこないよりははるかにいいですけど、説明を読んでいる限りSNZKには分がいい商品とは思えません。

あり得るかどうかは別として、 * これから2年のあいだ日経平均が一度も5%を超えることがない(大型株はどこも伸び悩む状態) * 一度も17.5%を超えるような大幅な下げ局面を迎えない

こんな感じの低め安定のボックス相場に入った場合、年利10%オーバーの高金利の恩恵に浴することができるってことか。個人的にはあまり魅力がないです。

バブル崩壊以降の日本市場で上のような状態が2年続いたことってあるのかな。
面倒なんで調べてませんが分のいい賭けではなさそうです。

何よりもドイツ銀行はどうしてこんな複雑な金融商品を作って募集をかけたのか、普通に社債ではダメだったのだろうか。
これってもしかして複雑だけど利回り部分は派手だけど実際は情弱ホイホイなのでは?と邪推しそうになります。

もっともS&P格付けA-がそんな商売をするわけもないんでしょうが。